山羽春季氏が作品に込めた想い

プロフィール

山羽 春季(やまばはるき)

1995年京都市生まれ
2014年京都精華大学デザイン学部イラストコース 入学
2016年京都精華大学芸術学部絵画コース日本画学科 転学科
2017年4~9月ドイツ、カッセル美術大学Paintingコース 交換留学
2018年京都精華大学芸術学部絵画コース日本画学科 卒業

個展

2015年『氷上のエデン』東京銀座かわうそ画廊 個展
2018年『消滅と再生、幻想の物語』京都精華大学ギャラリーフロール 個展
2019年東京九段耀画廊 個展予定

グループ展

2014年三菱商事アートゲートプログラム第25回 東京GYRE 展示
2016年『巨人展小人展』 京都精華大学ギャラリーフロール 展示
2017年『萌-MEBAE-』展 京都丸太町Art Space MEISE 展示
2017年三菱商事アートゲートプログラム第34回 東京GYRE 展示
2018年『萌-MEBAE-』展 京都丸太町Art Space MEISE 展示
2018年第2回京都学生アートオークション 堀川御池ギャラリー 展示
2019年京都市呉竹文化センター 展示予定

受賞

2014年三菱商事アートゲートプログラム第25回 入選
2017年三菱商事アートゲートプログラム第34回 入選
2017年京都花鳥館賞 入選
2018年第2回京都学生アートオークション 入選
作品タイトル『金雲上のパレード』
サイズ縦96cm×横264cm
使用画材和紙、墨、岩絵の具、水干絵の具、金箔、金泥、胡粉

京の都の華やかさを花と踊りで表現

京都での観光から宿に戻ってきた時に、ゆっくりくつろぎながら楽しんでもらえると良いなと思い描きました。

金箔の雲の上に描いた花は、左から芍薬、花菖蒲、紫陽花。どれも何百年も前から日本にある花です。 大輪で豪華な芍薬は美人を例えることわざにも使われています。 花菖蒲は、菖蒲が勝負と読みが同じで、葉先が刀に似ている事から特に武士に愛された花です。平安神宮では、5月下旬から6月中旬に見事な花菖蒲を見ることができます。 紫陽花は日本最古の詩集『万葉集』にも詠まれているほど、日本と関わりの深い花です。梅雨の代名詞となるくらい日本で愛されていて、雨に濡れるとより鮮やかで美しい紫陽花をあちこちで花開いています。

その花と花の間に、”京都の三大祭り”と言われている、『葵祭』『祇園祭』『時代祭』を描きました。

芍薬の下に描いたのは『葵祭』です。 平安時代から祭りといえば葵祭のこと。元々は貴族を中心に行われたお祭りです。毎年5月に貴族や天皇の使者、十二単を着た斎王代など、当時の豪華絢爛な衣装をまとった行列が京都御所から上賀茂神社まで巡行します。 この葵祭のモチーフとして描いたのは、斎王代(さいおうだい)と牛車です。斎王代は、上賀茂神社の巫女のこと。毎年、京都の女性から一人選ばれ、十二単を着て使者と共に巡回します。牛車は平安時代に貴族が移動の際に使っていた乗り物で、葵祭では葵と桂、桜と橘で飾られています。

菖蒲の下に描いたのは『祇園祭』の長刀鉾(なぎなたほこ)です。 祇園祭は京都で疫病が流行した際、厄除けのために生まれた庶民の祭りで、1100年前から行われています。当時の国の数が66国だったことにちなみ、66本の鉾を祀ったと言われています。長い歴史の中で鉾の数は33基になりましたが、戦争など幾多の苦難を乗り越えて続けられてきました。 長刀鉾は祇園祭の鉾の中でも唯一、稚児が乗る鉾で巡行の際には必ず先頭を走る重要な鉾です。角を曲がるときには、車輪の下に竹を敷き、音頭をとりながら回転します。これは辻回しと言われ、その迫力に圧倒されます。長刀鉾は<楽遊>のすぐ近くの長刀町のもので、祇園祭の時期になると組み立てる様子も見ることができます。

紫陽花のそばには『時代祭』の様子を描きました。 時代祭は”京都の歴史の風俗絵巻”と言われています。毎年、長岡京から平安京に都が移った10月22日に行われます。782年の延暦時代から明治維新までを8つの時代に分け、当時の衣装、祭具を忠実につくり、京都御所から平安神宮まで約2kmを2000人の行列で巡行します。 描いたのは、維新勤王隊列と神幸列です。維新勤王隊列は行列の先頭を歩きます。 平安京の材木を供給していた、山国隊と呼ばれる農兵隊で、戊辰戦争で活躍しました。京都から山国への凱旋の際に鼓笛を奏でたことから、行列でも太鼓や笛など演奏しながら回ります。 神幸列は平安神宮の祭神である桓武天皇と孝明天皇の神輿で、行列の最後列に並びます。

そのほか、祇園祭の最後に行われる舞妓さんの奉納の踊りを描きました。 芍薬の下にうちわを持って踊っているのは宮川町の舞妓さんの踊り『コンチキ踊り』、その続きに太鼓を持って踊っている祇園東の舞妓さんの踊り『小町踊り』です。 紫陽花の横に傘を被っているのは祇園甲部の舞妓さんの踊り『雀踊り』で、振り付けは昔話の舌切り雀からきています。 紫陽花の葉の上にいる白い鷺の格好をした子供は『鷺踊り』をモチーフにしています。600年ほど前、祇園の際、鉾の一つ、「笠鷺鉾」の周りで踊っていたそうです。「笠鷺鉾」は消えてしまいましたが、踊りは今日まで残りました。

楽遊仏光寺東町の

意匠

京町家 楽遊 仏光寺東町は、京町家建築を生かした作りです。3階建てで、1階はロビー、2・3階に全9室というコンパクトな建物のなかに、「格子窓」「ばったり床机」「犬矢来」「吊り床」など、京町家ならではの意匠を随所に凝らしています。入り口に盆栽が置かれ、お隣が少林寺道場というのも、独特の風情を加えています。

楽遊仏光寺東町の

館内設備

京町家 楽遊 仏光寺東町の入り口にかかるのは、染のオーダー専門店『四季彩』さんにお願いした暖簾です。暖簾をくぐってロビーに一歩入ると、目に入るのは壁一面に飾られた日本画。新進気鋭の画家・山羽春季氏の作品で、日本の花々と折々の京都の祭りを大胆な構図で描いた絵は見る者の心を浮き立たせるような楽しさに満ちています。ご滞在いただくだけでさまざまな京都の伝統や工芸に触れていただけるよう、内装や小物にもこだわりました。同時に快適にお過ごしいただけるよう、全室エアコンも完備。

楽遊仏光寺東町の

お部屋

京町家 楽遊 仏光寺東町は全9室。2階に2名様定員のお部屋が3部屋、3階に2名様および3名様定員のお部屋が6部屋です。お部屋について詳しくは下のリンクからご覧ください。