−京町家の建物内に息づく小さな自然「庭」「坪庭」−
建物の敷地内に配置された「庭」や小さな「坪庭」は京町家には欠かせません。季節の花や植木、石灯籠などを配置して住人や来客の目を楽しませるのはもちろん、奥に長い京町家の採光や風通しを助けるという大切な機能も果たします。<楽遊>には、別邸ロビーに面し、昔の町家の庭を再現した「町家の庭」があり、本館ロビー奥と客室1「桜」に「坪庭」、さらに別邸客室101「花」に面して「トクサの庭」、客室102「四季」に面して「センリョウの庭」と、趣の異なるいくつもの庭が配置されています。四季おりおりの木々や草花の風情をお楽しみください。造園は『聴風館 寸庭舎(ちょうふうかん すんていしゃ)』が手掛けました。
京町家 楽遊 堀川五条には、この他にも様々な京町家としての意匠が引き継がれています。そのような京町家の意匠をご紹介いたします。
格子
京町家の外観で、すべての町家に共通する「格子」
ばったり床几
普段は揚げているのを「ばったり」と下げるから通称「ばったり床几」
犬矢来
敷地と道路を隔てるとともに、泥はねや埃から家を守る「犬矢来」
虫籠窓
二階の通風や採光のための塗り壁の窓、「虫籠窓」
鍾馗さん
ひさしの上で災いから守ってくれる「鍾馗(しょうき)さん」
火袋
台所の上に造られた吹き抜けを、京町家では「火袋」と言います。
階段
階段の下も収納に使うのが町家の知恵
網代天井
杉を互い違いにくぐらせて編んだものを張った天井
通り庭
町家の奥へと通じる土間が「通り庭」
ロビー
かわいらしい庭を眺めながらのんびり過ごせるロビー
ひふみ石
一個、二個、三個と小石を寄せて. 散りばめられた土間模様の技法「ひふみ石」
吊り床
落掛が付いた壁が、天井から吊っている簡易の床の間「つり床」
書院
床の間の横、屋外に近い側に設けられる出窓のような座敷飾り「書院」
雪見障子
室内から外の風景を楽しめるようになっている障子「雪見障子」
メッセージ
−京町家の意匠に精通した内田康博氏が設計−
<楽遊>の設計は、京町家の再生を数多く手がけた内田康博氏によるものです。伝統的な意匠を生かしながらも、最新の設備を備え、より居心地のよい「新しい町家」を実現していただきました。細部にまでこだわった内田氏の「想い」を<楽遊>でぜひ体験してください。
館内設備
京町家 楽遊 堀川五条の入り口にかかるのは、染のオーダー専門店『四季彩』さんにお願いした暖簾です。暖簾をくぐってロビーやお部屋に入ると、伝統の「京版画」や創業90年の座布団店『洛中高岡屋』にあつらえていただいた京座布団が建物を彩ります。館内を柔らかい灯りで照らすのは、祇園で100年あまり灯りを作り続けている『三浦照明』さんの行灯やお部屋の照明です。ご滞在いただくだけでさまざまな京都の伝統や工芸に触れていただけるよう、内装にもこだわりました。同時に快適にお過ごしいただけるよう、全室エアコンも完備。ロビーと1階のお部屋には床暖房も設置して、冬もぬくぬくです。